人工授精を受けているのですが、このまま続けても大丈夫ですか?

「E.K」さんからのご質問です。

以前から不妊治療を受けている共働きの主婦です。
排卵誘発剤を毎月服用し(1日2回×5日間)、人工授精を受けています。
今年6月に妊娠したのですが、胎芽の発育がよくなく流産してしまいました。
その後、また不妊治療を再開しています。
が、全く根拠のないただのカンなんですが、
どうも着床率が悪くなっているような気がするのです。
クロミッドを長期に服用すると、内膜が薄くなる・・・というようなことも
聴いたことがあります。

 質問
  1)子宮の内膜の厚みを測れるような検査と言うのはありますか?
    それはどのような検査方法なのでしょうか?
  2)クロミッドを1日2回服用する形はもう1年になろうとしています。
    それ以前にも、1日1回の服用を半年以上は続けてました。
    これ以上の長期にわたる服用は、果たして大丈夫なんでしょうか?
<先生からのお答え>

  1)子宮内膜の厚さは、経膣超音波検査や子宮鏡検査で測定します。
  2)クロミッドは、排卵率が70から80%と高いのに対し、
    妊娠率は20から30%と低い薬です。
    なぜ低いかというと、抗エストロゲン作用があるため、
     ・頚管粘液分泌不全
     ・子宮内膜異常(内膜が薄くなる)
     ・黄体化非破裂卵胞(排卵しないまま黄体化してしまう)
     ・胚の発育不全、などがその理由と考えられています。
    また、長期に服用すると、クロミッドの代謝期間が6週間と長いために、
    着床後の器官形成期にも残存し、胚への障害も懸念されます。

 クロミッドの基準投与法は、1周期5日間(50-100mg/day)です。
 7周期の累計妊娠率が75%なので、その時点で妊娠に至らない方は、
 それ以上続けても妊娠成立の可能性は低いとみられており、
 6ヶ月くらいをめどにするようです。

 また、参考までに人工授精は1回目がもっとも妊娠率が高く、
 妊娠例の約4割が1回目で妊娠し、2回目、3回目とも約2割、
 4回目で約1割となっています。
 5回目で98%が妊娠するので、その時点で妊娠に至らない方は、
 それ以上続けても妊娠の可能性は低いとみられています。
 人工授精は、治療全体では妊娠率が9%と、
 数値から見るとあまり率の高い治療法ではないといえるかも知れませんね。