TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』
現場にアタック!
2002.1.15 ON AIR
森本毅郎さん 「何か色々持ち込んで来たな・・・」
近堂かおり
レポーター
「今朝はこのグッズのご紹介なんですが、今これらのグッズが密かな試みとして注目されているんです」
森本毅郎さん 「なんなのこれ? 「ベイビー・イン・ミー」・・・・バッジ?」
近堂レポーター 「これはバッジ、これはステッカー」
森本毅郎さん 「Tシャツ、トレーナー・・・・」
近堂レポーター 「妊娠している人をひと目で見分けることができる、いわゆる「妊婦マーク」なんですよ」。
森本毅郎さん 「だって、お腹大きい人は、我々見たら分かるよ。あ、お腹大きいんだなって」
近堂レポーター 「それがちょっと違うわけなんですよ」
森本毅郎さん 「え?」
近堂レポーター 「妊娠されている方、それから最近出産なさった街の方にお話をうかがってみました」

街頭インタビュー 街で聞いた声1
「やっぱり通勤の時、お腹が目立たないと誰も席を譲ってくれないじゃないですか。で、実際一番大変なのは、妊娠初期のほうが大変だった。つわりとかあって、気持ち悪かったし。妊娠初期、お腹の目立ってない時の方が大変」
街で聞いた声2
「満員バスとかあるじゃないですか。乗ってても、お腹があまり目立ってないと、やっぱり(席を)ゆずってくれないです。電車とかでも。有る程度大きいと、みんな気遣ってくれるんですけど、小さいとやっぱり気遣ってくれない」
街で聞いた声3
「初期は本当に目立たないから、ちょっと疲れた時とか、「妊婦なのに?」とか思った時もありました」

森本毅郎さん 「なるほど。電車の中でこれを付けて席を譲らせようと、そのバッジ?」
近堂レポーター 「ゆずらせよう、って言っているんじゃないですよ」
森本毅郎さん 「あ、そうなの?」
近堂レポーター 「ただ、目立たない妊娠の初期にも、少し気を使っていただくと、妊婦さん達は楽になる時があるよ、と。言うことですね」
森本毅郎さん 「見えるこれ、『ベイビー・イン・ミー』『ベイビー・イン・ミー』って」
近堂レポーター 「目の前に・・・」
森本毅郎さん 「っていうことだな」
近堂レポーター 「(笑い)違いますよ。例えば、ぎゅうぎゅうの電車に乗るときにも、お腹を押されそうになってすごくビックリした人とかも居るわけですよ」
森本毅郎さん 「それはそうだな」
近堂レポーター 「だけど、これを付けていることによって、お腹じゃなくて、例えば肩を押してくれるとか。ということが考えられると、いうことですよ」
森本毅郎さん 「なるほど、そういうことか。誰でもまぁ、見たら分かるようなマークを作ろうと」
近堂レポーター 「そうなんですよ。で、これを考えたのは、フリーライターの村松純子さんという方なんですが。村松さんのお友達が、妊娠の初期にひどいつわりに、電車の中でなって。「辛いなぁ」と思いながら吊革につかまっていたら、「この人きっと、二日酔い なんじゃないの?」というような顔をされて、すごく不機嫌な顔をされたと。気づいてもらえない、どころか・・・。それを聞いて、「じゃあ誰が見てもすぐ分かるよう なマークを作ろう」と考えて、今やっていると」
森本毅郎さん 「ああ、そうなの。しかしこれ、実際に、妊婦の方は付けるのかね、このバッジ」
近堂レポーター 「ちょっと、もしかしたら、恥ずかしいと言う方、多いんじゃないかと思って」
森本毅郎さん 「そうだなぁ・・・・」
近堂レポーター 「街に出て、聞いてみました」

街頭インタビュー 街の人の声1
「さりげなく、つけれるようなモノであれば、これからどんどん働きながら子育てしてる人も増えてきているので、すごくいいんじゃないかなと思います」
街の人の声2
「あ、『ベイビー・イン・ミー』か!ああ?可愛い」
街の人の声3
「私はだったら鞄とかに付ける」
街の人の声2「うんうん」
Q.付けるのは抵抗ないですか?
街の人の声2「ないですね」
街の人の声3
「3個ぐらい欲しいと思う。可愛いから。(抵抗は)全然ないです」
街の人の声4
「実際に職場の先輩の人と、「すぐに(妊娠が)分かるような印が欲しいね」という話はしたことがあります。「じゃあ、母子手帳持って歩く? 目立つように…」とか」
Q.見えるように?
街の人の声4「うんうん」

森本毅郎さん 「そうか、もうお子さんが出来ると、格好なんか言ってられないよね。やっぱり、安全を守ろうという気持ちのほうが母親としては強くなってくるから」
近堂レポーター 「そうですね」
森本毅郎さん 「こういうものがあったほうがいいのか。『ベイビー・イン・ミー』っていうの?」
近堂レポーター 「はい、これは村松さんの造語で、英語を話す人に伺ったら、やはり英語としては正しくないそうなんですが…」
森本毅郎さん 「あ、正しくないの?」
近堂レポーター 「はい、正しくはないそうなんですが、でも実際に購入された方で、同時テロの時にハワイの空港で足止めをくらっていた時に、このバッジに気づいた外国の方が、やっぱり優先的に色々やってくれて、優しく扱ってもらったと」
森本毅郎さん 「あ、外国の人にも通じる事は通じると」
近堂レポーター 「はい、意味は分かると」
森本毅郎さん 「意味が分かると」
近堂レポーター 「はい、絵を見て字を見れば・・・。ほとんどの人が分かると」
森本毅郎さん 「絵はね、お人形さん見たいな絵が描いてあって、お腹にハートが付いている、可愛らしい絵で」
近堂レポーター 「そうですね、大人から子どもまで分かる絵と言うことなんですけど。男性からの反応も結構あって、自分の奥さんが妊娠したのをきっかけにこういうモノをすすめていこう、という方もいらっしゃるということでしたね」
森本毅郎さん 「どうなの、このバッジはどこで手にはいるの?」
近堂レポーター 「今のところ、通販、インターネットの通販なんですね。バッジは一個三百円。シールは色々種類があるんですけど、例えばケイタイに貼ったりとか、手帳の表紙に貼っ たりとかできるサイズなんですけども。それがワンシート百円と。で、今、「ケイタ イ電話のストラップを作ってくれ」というリクエストが多いので、考えているという ことで。昨日試作品を見せてもらいましたら、結構可愛いかったです」
森本毅郎さん 「電車の中で、ケイタイ電話のストラップって…」
近堂レポーター 「鞄の中からちらっと見せるとか」
森本毅郎さん 「混んじゃって、もう鞄なんか見てくれないとか言うこともあるから…。それは一種のファッションだな」
近堂レポーター 「そうですね。ファッションとしても可愛いマークをと」
森本毅郎さん 「そうだろう」
近堂レポーター 「ファッションとしても可愛いマークを作ったということなんですけども」
森本毅郎さん 「誇らしげに、「私、子どもができたわよ」ということか」
近堂レポーター 「う?ん」
森本毅郎さん 「それもあるのかもしれないよ」
近堂レポーター 「そうですねぇ」
森本毅郎さん 「幸せよ!って」
近堂レポーター 「まぁ、それはそうですよね。あと妊婦の方に伺うと、「赤ちゃん出来たのよ」って自分から言うと、ちょっと言いづらい時って多くて、逆に「もしかして?」って声をかけてもらえれば楽だな、というのがあって」
森本毅郎さん 「結構バッジでっかいもんな」
近堂レポーター 「そうですね、そうそう」
「目立ちますよね」
森本毅郎さん 「どうなのかねぇ。やっぱりこれはでも、知らない人が見ると、しかし「これは何だろう?」と思ってしまうところもあるんじゃない?」
近堂レポーター 「そうですね。例えば、ただ妊婦さんのサークルのマークかなとか。思う方もいるかもしれないかな、と思って…」
森本毅郎さん 「ハートの位置が随分低いなぁ、とかな」
(笑い)
近堂レポーター 「そうですよ、そうですよ」
森本毅郎さん 「お腹のところにあるんだもん。だって」
近堂レポーター 「(普通は)胸のところにありそうなものですからね。だからこれ、「誰も知らないと、何の意味もない」という指摘がもちろん街でもありまして。そのあたりの事情を マークの考案者で、フリーライターの村松純子さんに伺ってみました」


BABY in ME 村松
「まずお役所という所は対応が遅いということ。だから民間の側から使っているうちに、「ほら、みんな使っています。だからお役所でも、公共の場所でも・・・」という持 って行き方はあると思うんですけど。
下から上へ、というか、こういう動きが広まっ ているから「ぜひ!」というか。もう既成事実を作ってしまって「皆、使ってますよ! だから承認してください」という方法であればいいと思うんですけど。
妊娠とかそういう事に関して、今まで別世界だった人が、例えば電車の中でこういうマークを見か けることによって、そのことについてちょっと考える。考えさせられれば、今の段階 ではもうOKだと思っているんです。
だから今すぐ、何か反応があるということではなくて、そういう認識が広まることが大切なんじゃないかと」

森本毅郎さん 「あの、電車の席の、窓のところに、この大きいマークを貼り付けてさ、「優先席」みたいにしてもいいんだよな」
近堂レポーター 「そうなんですよね。なので、企業に働きかけたりとか、例えば、今度の3月に村松さんはですね、日本助産学会学術集会というところで、この活動を報告するとか…。現在は日本助産婦会の協力で、会に加盟している助産院ではこのグッズを置いて売っているとか。あと、例えば勤務先で健康診断をしたときに、妊娠している事が分 かったら、これを渡して貰えるように頼んだりとか。まぁそれこそ、母子手帳と一緒 に渡すことは出来ないかとか。色々考えているわけなんですよね」
森本毅郎さん 「会社は自分の席の所にぺたっと貼っておくとか…」
近堂レポーター 「はい。そうですね。多くの人の目に触れて、これがそういうマークなんだ、と言うことを認識させていきたいと」
森本毅郎さん 「まぁ言われてみれば、今、ファッションなんかでもなるべくお腹の目立たないようなファッションが主流じゃないですか」
近堂レポーター 「見て(妊娠が)すぐ分かる服、というのは好みませんものね」
森本毅郎さん 「着る人達もそういう服はいやがるから。そうすると、意外と知らないまま乱暴に扱われてしまうということもあるだろうから。安全シールとしても、これは有効かもしれませんね」